ARTIST BLOG

2011/01/31
2011.1.31
ポストから半身をのぞかせる新聞があった。
深夜のマンションの入り口で
朝取り損ねたそれを
丁寧でも乱暴でもない力でひっこ抜く。
ふと、新聞に便乗して
一枚のハガキがポストから躍り出た。
地面に落ちたそれを   
  短い爪で縁を得て拾い上げると

  「転職します」

友人から届いた不意の報告だった。

私の時間軸がちょっぴり揺れる。
「さっきまで」と「いまから」
そんな時の節目が
真夜中の心にもはっきりと示される。

睦月。戸外の冬が
零度の風を町中に配布してる。
あたしのほっぺたにも
冬が勢いよく貼り付く。
今日友人から届いたハガキのように
今日、季節もまた
何か変化の加えられた世界について
知らせているように感じた。
吐息の白が流れる。
その向こう側の世界をしんと眺めてみる。

夜の上空のブルーブラックに
埃のような色をした雲が
慌ただしく配られてゆく。
冬もまた、やがて自分が去ってゆくことを
そこかしこに伝えている。

from Salyu

back to ARTIST BLOG TOP